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渡辺巨人会長:野球協約すべてを超越 インタビューで断言

作者:未知  来源:每日新闻   更新:2005-11-2 4:20:00  点击:  切换到繁體中文

 「野球協約はすべてを超越する」。巨人の渡辺恒雄会長は、1日の毎日新聞のインタビューで断言した。かねてから投資ファンド嫌いで知られている同会長はインタビューでも、村上ファンドの阪神球団上場案に強い不快感を示し、オリックスと村上ファンドとの資本関係についても、野球協約違反の疑いを指摘した。

 ◇渡辺恒雄・巨人会長に聞く…「阪神株上場、絶対ない」

 --TBSと楽天の問題で、渡辺会長に10月12日、三木谷浩史・楽天社長からTBSの筆頭株主になったという話があったそうですが。

 ◆三木谷さん(浩史・楽天社長)がここ(読売新聞東京本社)にきて「明日(13日)発表することになったので、事前に連絡に来ました」と。筆頭株主というけど、十何%かそんなもんだから、僕は敵対的買収じゃないんだなとね。ある意味で協力関係になるのかと思ったんですよ。それで、楽天と横浜と二つの球団を持ってこられて、注意してもらいたいと言ったら、「いや、2球団は持ちません。横浜は売りますというから」と。どこに売るの、と聞いたら、ある1部上場会社です。どこですかと言ったら、言わないから、立派な会社があって、話は全部ついているんだと思ったの。そしたら、何も話はついていないし、(情報通信大手の)USENなんて名前もあって。僕はサントリーとかね、松下電器とかね、大企業が持ってくれるのかと想像していただけですからね。

 ◇「結局TBSが勝つ」

 --途中でTBS株を買い増ししたり、世間はかなり敵対的買収と見ていますが。

 ◆敵対的買収じゃないですか。TBSさん、本当に怒っていますからね。たまたま翌日(13日)、砂原君(幸雄・TBS会長)が僕のところに見えたんだけど、彼ものんきでね。話しているうちに、テレビでこれから三木谷会見をやりますよと、ここで彼と2人で見たんだ。砂原君もびっくりしていた。冗談じゃない、売る気はひとつもない。テレビを見ているうちに、これはちょっと事件だな、と。

 ◇「ホリエモンの広島買収は無理」

 --楽天の行動を見るともう少し周到な準備で、協力しようとしなければいけないのでは。

 ◆放送と通信の融合という新しい時代に入っていくわけだけれども、三木谷さんとか、ホリエモン(堀江貴文・ライブドア社長)とかいうのは、孫さん(正義・ソフトバンク社長)にうんと差をつけられちゃったもんだから、それで三木谷さん自身が言っているように、1番か2番になりたいんだと。そのためにはコンテンツがない。それでTBSが嫌だというのを、乗っ取っちゃうというやり方をするのは間違いだと、それはそんなことがうまくいくわけないんですよ、報道機関というものは。日本はね、なんでもハゲタカの思い通りになるようにしたらいかんね。民の中ででかいカネを持った民が、弱いところを駆逐するというハゲタカの論理は、野球の世界にまで持ち込むのはお断りだ。

 --TBSと楽天の今後はどうなると思いますか。

 ◆僕はTBSが結果的には勝つと思いますがね。三木谷さんの負担が多過ぎる。過半数を買い占めようなんて思ったら、相当な高金利の金を調達しなければならない。あの会社の売り上げ、利益率などを見ていくと、金利負担に耐えられるとは思わないんで、限界があるなと。三木谷さんは、途中で名誉ある撤退をするのか、それはわからないけれどもね、だけどTBSは、そうやすやすと軍門に屈するとは思えない。長期化したら三木谷さんの負けですよ。

 --村上ファンドが阪神球団株の上場を提案をした際、オリックスの宮内(義彦)オーナーが、背後にいると指摘もしていますが。

 ◆関東財務局の資料にある、報告書の中にですよ、持ち株関係が出てて、48%はオフィスサポートという会社なんだ。これは村上(世彰)さんの個人会社ですよ。オリックス株式会社、これが45%持っている。すると、MACアセットマネジメントという阪神の乗っ取りを図っている会社のですよ、45%は宮内さんが株を持っているんですよ。3%しか違わないんですから、この大株主になっているオリックスが阪神を乗っ取るということはですよ、非常におかしい。だから恐らく宮内さんも、それを知っているから、阪神(球団)を手放して上場したらどうだということを村上さんに言わせたのか、あるいはもともとオリックスと阪神を合併させようと考えていたのか、それはまだ宮内さんに聞いていないから。ただ上場ってのは絶対にありません。おそらくほとんどの球団は反対するだろうと思いますよ。中日の白井(文吾)さんや、孫さんなんかも絶対反対ですね。上場賛成なんて言っているとしたら、宮内さん、三木谷さん、ちょっとわかんないのは(日本ハムの)大社(啓二)さん。上場がなぜ悪いかといえば、必ず総会屋とか暴力団とかいろんなものが入ってくる。

 --オリックスの球団の支配権を抹消すると、かなり強い表現を使ったこともあるが。

 ◆あれは2球団を持ったら、そういうことになりますよと、協約にあるのだから。それにね、上場はできない。上場を禁止はしていないけど、協約をよく読めば上場を許可する理由は一つもない。オーナー会議でできれば協約の中に上場を禁止する、球団の経営母体は上場してはいけないということを書く。反対するとしても3球団。4球団の反対がなければ、それは通りますよ。

 --オーナー会議で楽天の問題、村上ファンドとオリックスの問題が出てくると思うが、結論を出すという見通しは。

 ◆僕はオーナーじゃないからわからんけど、僕がオーナーだったら一歩も譲らんよ。

 --仮に堀江氏が「球団を買います」と来たら。

 ◆前に審査してオーナーたる資格がないとオーナー会議で(結論が)出ている。再審議と言うのはありえるのかな。ああいう不まじめなね、それこそ売名のためだ、選挙運動のためですから。誰が見たって、客観的な条件を分析してみれば、広島で落選した。もういっぺんやろうと、事務所まで設けた。それで広島カープのオーナーになれば知名度はうんと上がる。それで選挙にプラスになる。ホリエモンは福岡から出たかったが、山崎拓さんらが反対して、それで落選するに決まっている広島の選挙区で公認もせずに出して負けて、その借りがあるんでしょう、武部(勤・自民党)幹事長は。僕に電話をかけてきて、「(堀江氏に)会え」というのは公党の幹事長としておかしいのじゃないかと言ったら、電話を切った。そうしたら財界のある大物から「ホリエモンが広島カープを買いたいというので面倒を見てくれ」と言うから、そういうことはできないんだと。松田(元)オーナーは売らないといってるんだから無理だよと。その後、ばったり某所で財界の大物と会った。そうしたら、武部幹事長が頼んだら断られたので、あなたが言えば渡辺は言うこと聞くだろうということで、そう言ったね。

 --2球団を保有してはいけないとあるが、野球協約と法律とで裁判になったら、協約は負けるのでは。

 ◆協約はスポーツのルール。民法、商法と何を動員しようと、協約が勝つんですよ。法律だけ読むと、野球協約は独禁法違反になる。国会で1度質問があった。ドラフト、ウエーバーは独禁法違反にならないと、公取委は答弁している。

 --コミッショナーは協約改正を提案している。上場基準を盛り込むのは?

 ◆大賛成。そもそもコミッショナーがやるべきだ。今まで遠慮して何もやらなかった。

 --村上ファンドが支配する球団と、そうでない球団が分裂せざるを得なくなるとの発言の真意は?

 ◆仮に村上さんが阪神球団を乗っ取って、村上さんと同席するのは嫌だから、一緒に出ようと言うオーナーは多い。

  ◇  ◇  ◇

 渡辺氏は昨年8月、明大の一場靖弘投手(現楽天)に対するスカウト活動を巡る不祥事の責任を取って巨人オーナーを辞任。しかし、今年6月に球団会長として球界に復帰した。


 

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