自民党の山崎拓前副総裁は二十六日午後(日本時間二十七日朝)、ワシントンで記者会見し、政府、与党の一部で議論されている敵基地攻撃論について「自民党全体が、戦後の軍事大国にならない、専守防衛、非核三原則という基本的な安全保障政策の原理、原則を忘れたような感じがある」と重ねて苦言を呈した。
党内の安全保障問題の議論に関して「たがが緩んだようだと痛感している。引き締め時だと感じ、機会を選ばず意見を述べているのが実情だ」と強調した。
また、安倍晋三官房長官が敵基地攻撃論を批判する山崎氏に反論したことを念頭に「茫漠(ぼうばく)たる議論で過去の類似の首相の国会答弁などを引用して言うと、あたかも今のこの時点でやるかのごとく、かつ能力があると誤解されてしまう」と再反論した。ただ「決して総裁選で争点をつくるために言っているのではない」とも述べた。(共同)
毎日新聞 2006年7月27日