漁船銃撃拿捕:「ブリッジ中心、銃撃は数十発」…甲板員
北海道根室市の根室湾中部漁協所属の「第31吉進丸」=4.9トン、坂下登船長(59)ら4人乗り組み=がロシア国境警備艇に銃撃・拿捕(だほ)された事件で、解放された甲板員、川村昭允さん(29)と紙屋春樹さん(25)が、日本の捜査機関に対し、ロシア側による銃撃はブリッジを中心に数十発だったと話していたことが31日分かった。
関係者によると、引き取りが行われた道庁の漁業取締船「北王丸」の船内で30日、2人に銃撃当時の状況を詳しく尋ねたという。それによると、2人が解放前に国後島古釜布港に係留されている吉進丸を改めて確認したところ、数十発の弾痕があり、中には貫通しているものもあったという。
2人は帰港後の30日夜の記者会見で、「銃撃は何発か」との質問に対し、「分かりません」と答え、「左後ろから現れ、急に撃ってきた。(盛田さんが)撃たれているのは分かった。自分らも撃たれるんじゃないかと思って伏せた」などと話した。【本間浩昭】
毎日新聞 2006年8月31日