松下電器産業は電子レンジとオーブン,水蒸気を使った加熱機構という3種の調理機能を備えるスチーム・オーブンレンジの新製品「NE-SS30」を発表した。同社の従来品から大きく変更したのは,水蒸気発生用のヒーター。水蒸気の発生時間の短縮と,水蒸気発生機構のより細かい制御を可能にした。
オーブンなどの市場では,過熱水蒸気を使ったシャープの「ウォーターオーブン『ヘルシオ』」の人気が高く,同社は2004年9月の発売から2005年3月末までに7万台の出荷を予定している。ヘルシオは単機能のオーブンで,電子レンジ機能は搭載していない。松下電器産業は電子レンジ機能も搭載したコンビネーション・レンジにおいて,水蒸気による調理機能を高めることで巻き返しを図る。庫内容量は約30L(リットル)。オープン価格だが,同社による予想価格は8万5000円前後。2005年6月1日に発売する。
700Wと300Wのヒーター2個を搭載することで,ヒーターの出力は300W,700W,1000Wの3種類になった。従来品は720Wのヒーター1個を用いていた。今回は3種類の出力を生かすことで,従来よりも水蒸気発生用ヒーターの出力と水蒸気を発生させる時間,タイミングの組み合わせが増加した。このため,自動でフランスパンなどを焼く「オートメニュー」機能は100通りから220通りへと倍増している。水蒸気の発生時間は従来品より約30%短い18秒である。
今回の製品でのユニバーサル・デザインの1つは「音声ガイド」だ。同製品で調理するには熱源や時間の選択など,2~3個のボタンを押す必要がある。あるボタンを押してから3秒間次のボタンを押さないと,次に何を押せばよいのかを音声ガイドが知らせる。松下電器産業によれば,同社がレンジに音声ガイドを付けるのは22年ぶりという。以前のものは「ガイドがうるさ過ぎる」と不評だったため,今回のレンジでは「3秒待つ」という対応策が採られた。使い方が分かっている人は次々とボタンを押すので音声ガイドは流れない,という仕組みになっている。
このほか,松下電器産業は庫内容量が約23Lと小型の「NE-SS23」も同時に発表した。6月20日発売で,予想価格は7万円前後。 |