ハリケーンによる犠牲者の捜索が続いているニューオリンズでは、川岸の倉庫から100人以上の遺体が見つかるなど、深刻な被害の状況が、さらに明らかになってきています。
30度を超える暑さと猛烈な悪臭の中、遺体の収容と、家に残る人たちの説得・救助が続いています。
地元の国会議員などによりますと、川岸の倉庫で亡くなった100人以上の人たちは、救助がくるのを待って集まっていたということです。また、堤防が決壊した場所の近くにある老人ホームでは、60人の入居者のうち32人が、自力で避難することができず死亡したということです。
ニューオリンズでは、いまだに市内の6割が冠水していますが、油や下水、ごみなどによって汚染された水による被害も増えています。アメリカ疾病予防センターは、汚染した水を通じた細菌感染と見られる症状で被災者3人が死亡したことを明らかにしました。
こうした伝染病の広がりを防ぐため、ニューオリンズ市のネーギン市長は、今も市内に残る8000人から1万人に対して、現地7日朝、24時間以内に退去するよう呼びかけました。
「すべての市民に対して、ただちにニューオリンズを出るよう求めます」(ネーギン市長)
市内の中心部、浸水を免れた場所にあるフレンチ・クォーターでも、多くの人が避難を拒否しています。
「私たちレストランの従業員やクラブの経営者の存在があってこそ、観光客がニューオリンズへ来てくれるんです。出て行くわけにいきません」(住民の1人は)
市当局では今後、残る人たちを強制的に避難させる方針ですが、中には銃を持って抵抗している人などもいて、困難を極めそうです。