【アナハイム高橋秀明】米大リーグの優勝決定シリーズ(7回戦制)は16日、当地などで行われた。ア・リーグは井口資仁のいるホワイトソックス(中地区1位)が、エンゼルス(西地区1位)を6-3で破り、4勝1敗で46年ぶり6回目のリーグ優勝を果たした。井口は2番・二塁で3打数無安打、2四死球。22日に開幕するワールドシリーズで、88年ぶりの「世界一」を目指す。井口がワールドシリーズに出場すれば、02年の新庄剛志(当時ジャイアンツ)、03年の松井秀喜(ヤンキース)、04年の田口壮(カージナルス)に続く4人目の日本選手となる。
ナ・リーグ第4戦はアストロズ(ワイルドカード)がカージナルス(中地区1位)を2-1で降し、3勝1敗で初優勝に王手をかけた。第5戦は17日に行われる。カージナルスの田口は八回から中堅の守備に就いたが、打席は回らなかった。
◇46年ぶりの美酒、歓喜の井口
46年ぶりのリーグ優勝を祝うシャンパンのしぶきが、クラブハウスの天井にまで届いた。歓喜の輪の中に、目を赤くした井口がいた。
「基本的にはピッチャーでしょう」と井口は勝因を挙げる。1敗後の第2戦からバーリー、ガーランド、ガルシア、そして114球を投げて5安打3点に抑えたこの日のコントレラスと4連続完投勝利。分業制が徹底しているメジャーでは異例だ。第4戦の後、ギーエン監督は「救援を用意しているぞとガルシアに告げたら、マウンドから降ろさないでくれと言ってきたんだ。前の2人に続きたかったんだろう」と語った。今季計63勝を稼いだ先発4人衆の競争意識が、ギーエン監督に掟破りの起用を促した。
ホワイトソックスは1917年にワールドシリーズを制したのが最後。19年のワールドシリーズは「ブラックソックス事件」と呼ばれる八百長疑惑が持ち上がり、チームの看板選手が永久追放処分を受けた。88年ぶりに栄光の日々を取り戻すまで、残り4勝となった。【高橋秀明】
◇ホワイトソックス・井口との一問一答
--リーグ優勝の心境は
クラブハウスに家族も入れたんで、子どもも喜んでくれた。うれしいがまだ一つ(ワールドシリーズが)あるんで、何とか勝ちたい。
--勝因は。
基本的にはピッチャーでしょう。大きなミスもなかった。
--シーズン後半に連敗していた時と見違えるチーム状態だが。
大きい波のあるチームだが、波がくればどこにでも勝てるチーム。今その波がきている。
--今シリーズでは3死球を受けたが。
非常に痛いシリーズでした。インコースを意識させられてバッティングも崩れていたので、修正してきたい。
--去年、観客席から見ていたワールドシリーズの舞台に今度は自分が立つことになったが。
まさかという思いだが、最後に悔しい思いはしたくない。一つのミスで試合が決まる。(相手は)どこでもいい。