【アナハイム高橋秀明】米大リーグのア・リーグ優勝決定シリーズ第5戦は、井口が所属するホワイトソックス(中地区1位)が、エンゼルス(西地区1位)を6-3で破り、通算成績を4勝1敗として46年ぶりのア・リーグ優勝とワールドシリーズ進出を決めた。井口は「2番・二塁」で先発し3打数無安打、2四死球だった。ホワイトソックスは22日に開幕するワールドシリーズで、ナ・リーグのカージナルスとアストロズの勝者と対戦する。
◇カギを握る2番・井口を徹底マーク
46年ぶりにリーグ制覇したホワイトソックス。ダイエー時代に優勝経験豊富な井口とはいえ、メジャー1年目で浴びるシャンパンの香りは格別だろう。
本拠地での3連敗だけは避けたいエンゼルスは、ホワイトソックス打線のカギを握る2番・井口を徹底マーク。初回、1死で迎えた井口に対し、先発・バードは内角をえぐった。左わき腹に球がめりこむ。2戦続けて第1打席で死球。井口は続くダイの左前打で二進、コナーコの右飛で三進。得点にこそ結びつかなかったが、いきなり足で重圧をかけた。
ホワイトソックスは二回、ローワンドの二塁打と犠打、犠飛で先制。次の塁を常に狙う姿勢がチームに浸透している。その旗振り役が井口だった。
2番・二塁に定着した井口をギーエン監督は「うちのMVP。何でもやってくれるんだから」と評価している。2割7分8厘、15本塁打、71打点という数字以上に、走攻守すべてにおいて大味だったチームにピリッとしたスパイスを利かせた。
88年ぶりのワールドチャンピオンを狙うホワイトソックスにとって、海を渡ってやってきたルーキーの存在は、日を追うごとに大きくなっている。プレーオフという大舞台でも、井口への信頼は揺るがない。【高橋秀明】
○…ホワイトソックスがリーグ優勝をたぐり寄せた勝ち越し点を巡り、またも判定トラブルが起きた。同点で迎えた八回2死一塁、A・J・ピアジンスキーの投ゴロを処理したエスコバルは球を持っている右手でなく、左手のグラブで打者走者にタッチ。これを一塁塁審はアウトと判定したが、抗議を受けて覆した。続くクリーディの二塁内野安打で二塁走者・ローワンドが一気に生還。エンゼルスは審判の判定に翻ろうされ続け、1勝の後4連敗を喫して敗れ去った。