樋口久子IDC大塚家具レディース最終日(30日、埼玉県武蔵丘GC)、最終組がグリーン上に上がってくるのを待つ間に涙がこぼれてきた。2組先にホールアウトしていた諸見里は何度もスコアボードの順位と、紙に書かれた賞金額を見比べた。469万円を獲得し、1255万円で賞金ランク47位に浮上。来季の賞金シードの目安となる獲得賞金1200万円突破を確認した。
「2位タイが4人でも1250万円を超えるので凄く安心した」。昨年の横峯に並ぶ最短3試合でシードを確保した。ようやく数字のプレッシャーから解放された。
最終18番のバーディーが勝負を決めた。3つスコアを伸ばして迎えた485ヤードのパー5。残り218ヤードの第2打を5Wでグリーン手前のカラーまで運んだ。ピンまで23ヤード。計り知れない重圧の中「とにかく寄せたかった」とPSで放った執念のアプローチはピン左1メートルで止まった。初日まで絶不調だった短いバーディーパットも確実に決めた。
「ようやく決まりました」。いつも1打に泣いてきた。5月の中京テレビ・ブリヂストンレディース、10月のステップアップツアーの穴吹工務店レディースも優勝に1打届かなかった。今大会は初日67位と課題の精神面の弱さが顔をのぞかせた。しかし、あきらめなかった。土壇場で地力を発揮。「ギリギリの状態からスコアを伸ばせたので、自信につながりました」とプロとして一皮むけた。
「これで悩みが消えました。(地元沖縄での来季開幕戦)ダイキンオーキッド・レディースに出られるのがうれしい」。今月末からは宮里とともに米ツアー最終予選会に挑戦する。来季の理想は「日米で半分半分に出ること」と夢は広がった。
≪さくら失速24位≫初日3位から横峯は2日目以降失速して24位に終わった。2、3番で連続ボギーを叩くなど波に乗れずに73で通算1アンダー。ここ数試合で球筋がフェードからストレートに変化し「飛ぶようになって、アイアンが1番手半替わった。最後の9ホールでようやく自分のゴルフが分かった」と戸惑いが続いた。ライバル宮里の5勝目には「話をしている分には変わっていないけれど、また一段とうまくなった」と脱帽していた。