女子ゴルフのMeijiチョコレートカップ(北海道・札幌国際CC島松C)最終日は9日、4~5メートルの風が吹く難しいコンディションの中、日本ツアー2年目の23歳、全美貞(ジョン・ミジョン)=韓国=が、5バーディーでスコアを五つ伸ばして、通算8アンダーでツアー初優勝。賞金1260万円を獲得した。首位と4打差の7位でのスタートから逆転した。1打差の2位に前日トップの茂木宏美。2週連続優勝を狙った横峯さくらは、6打差の6位タイ。地元・札幌出身の中田美枝は後半大きく崩れ、通算1アンダーで10位タイに沈んだ。米ツアーから一時帰国の諸見里しのぶは7オーバーで42位グループだった。
▽茂木宏美 (今シーズン3度目の2位に終わって)飛距離が出ないので今日の風は苦しかった。今日の内容じゃ勝てないです。
◇力を付けてきた韓国の逸材…全美貞
横峯さくら パーを取るのが精一杯。連続優勝は難しい。来週は休んで体のケアと練習します。
諸見里しのぶ (2番から5番まで4連続ボギーなど6ボギー、3バーディーに)途中から切れてしまった。バーディーチャンスを逃して流れを止めてしまった。
競り合っていた前日首位の茂木が最終ホールでスコアを伸ばせず、全美貞の逆転優勝が決まった。プレーオフ覚悟で待っていた全は「今はうれしいとしか言えない」と感極まり、大粒の涙を流した。
3番ミドルでチップインバーディーを奪い、その後、四つのバーディーでボギーなし。安定したゴルフが優勝の原動力になった。
飛行機が苦手な専属キャディーが北海道に来られず、昨年までキャディーを務めた美愛さん(28)が、今季初めてパートナーに。日本語通訳も兼ねる姉の「大丈夫だから」という励ましも大きく味方した。「優勝は姉のお陰です」と全。
175センチ、70キロ。恵まれた体格を生かした飛距離が武器。韓国ツアーは01年にデビューし、4シーズンとも賞金ランクは一けた。日本ツアーにデビューした昨年の賞金ランクはいきなり12位で、今季もここまで14戦して一けた順位が5回ある。。「目標は賞金ランク10位以内」という韓国の逸材が力を付けてきた。【相川光康】
毎日新聞 2006年7月9日 16時52分 (最終更新時間 7月9日 17時59分)