【ニューポート(米ロードアイランド州)田中義郎】女子ゴルフの今季メジャー第3戦、第61回全米女子オープン選手権は3日、当地のニューポートCC(パー71)でアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)とパット・ハースト(米国)による18ホールストロークプレーのプレーオフがあり、1アンダーの70で回ったソレンスタムが10年ぶり3回目の優勝を飾った。ソレンスタムはメジャー通算で歴代4位タイの10勝目を挙げた。
ソレンスタムは3番までに3打リードし、最終的には3オーバーのハーストに4打差をつけた。両者は2日までに行われた4ラウンドで、通算イーブンパーの284で首位に並び、決着は3年ぶりのプレーオフに持ち込まれていた。
◇ソレンスタム、10年ぶりV…小技が勝敗分ける
35歳の女王・ソレンスタムと37歳のベテラン・ハースト。経験豊かな2人の勝負は、ソレンスタムに女神がほほ笑んだ。最終18番、約1メートルの下りのウイニングパットを決めた女王はしばらく天を仰いだままだった。「10年ぶりに勝てたのには多くの意味がある。私にとって、全米女子オープンは思い入れがある」
勝敗を分けたのは小技だった。1番(パー5)は、ともに第2打までフェアウエーをキープ。そこからソレンスタムは残り68ヤードをサンドウエッジでピン右約2メートルにつけ、パットを完ぺきに沈めてバーディー。第3打目がグリーンエッジにとどまったハーストは、第4打でピン下約3.5メートルにつけたが、パットに力がなくボギーとした。
これまで、ソレンスタムのプレーオフの成績は14勝5敗。主導権を握ることがどれだけ優位に働くかは十分に熟知している。確実にグリーンの中央をとらえ、パットをきっちり寄せることさえ考えればよかった。無理に攻める必要はない。4日間で5ラウンド、計90ホールの戦いを強いられ、疲労している中だけに、なおさらその思いは強かっただろう。
毎日新聞 2006年7月4日 10時05分