楽天がTBSに経営統合を提案している問題で、楽天とTBSが水面下で和解に向けた接触を始めたことが20日、分かった。両社の業務提携と楽天のTBS株の保有割合の扱い、楽天からTBSへの役員派遣が、今後の交渉の柱になる見通し。経営統合や株保有をめぐる両社の隔たりは依然大きく、今後の交渉は曲折が予想される。ただ、楽天の経営統合の提案に対して、TBSは月末にも拒否の回答をする予定で、対決色を強めてきた両社の和解に向けた最後の折衝となる可能性が高い。
関係者によると、和解に向けた接触は先週から始まった模様だ。交渉は(1)両社が複数の業務提携を行う(2)楽天が保有するTBSの発行済み株式の19.09%の取り扱い(3)TBSへの楽天の役員派遣--の三つが柱になる見通し。業務提携は、インターネットを活用した通信と放送の融合を掲げる楽天の意向を踏まえ、電子商取引などの分野を中心に提携するもので、具体的な内容は今後詰める。
株の扱いについては、楽天が少なくとも現状維持を望むのに対し、TBSは保有比率の引き下げを強く望んでいる。また、役員についても、楽天は複数の派遣を望んでおり、TBSと考えの差は小さくない。今後の交渉の焦点となりそうだ。
TBSはこれまで、楽天との経営統合は拒否するものの、部分的には業務提携する方向で楽天に回答をする方向だった。一方、楽天はTBSが統合を拒否した場合、株の買い増しを再開する構えで、妥協策がまとまらない限り、全面対決に発展する可能性が高まっていた。【TBS問題取材班】