ロッテと楽天は２６日、鹿児島・鴨池球場で練習試合を行い、楽天・田中（駒大苫小牧高）、ロッテ・大嶺（八重山商工高）の高卒ルーキー右腕が先発。ともに２回を投げ、田中は２安打４奪三振で無失点と好投したが、大嶺は５安打１四球２奪三振で４点を失った。試合は楽天が７－３で勝った。

　２５日のオープン戦が雨で中止となったため、練習試合として行われた。試合後、ロッテは鹿児島での２次キャンプを打ち上げた。

　◇将来が楽しみな初対決　

　田中と大嶺。昨年の甲子園を沸かせた同世代の右腕が、プロの舞台で初めて投げ合った。

　鮮烈な印象を残したのは田中。先発に西岡、福浦、里崎、ズレータと主力を並べたロッテに「本気だなあ」とうなった田中だが、臆（おく）することはなかった。

　一回、先頭の西岡、福浦から連続三振を奪う。二回は不運な当たりが続き、無死一、二塁とピンチを背負ったが、続く神戸、サブローを連続三振、今江も二ゴロに打ち取って得点を許さなかった。「テレビで見ていた人たちと対戦できて楽しかった。いつも通りの投球ができた」とコメントも堂々としたもの。

　紅白戦２試合は直球が高めに浮き、４本塁打を許したが、この日は最速１５０キロを記録した直球、スライダーのキレ、そして低めへの制球と「文句なし。ローテーションにも入れる」と野村監督もただ絶賛の内容だ。

　一方の大嶺はプロの洗礼を浴びた。制球が定まらず、甘く入った変化球は痛打された。二回に嶋に２ランを浴びるなど４失点。しかし「楽しかった。すべてが収穫」と気にする様子はない。直球は１４５キロの球速以上に伸びを感じさせる。一回、外角の直球で大広を空振り三振させた場面では、捕手の里崎が思わずガッツポーズしたほど。

　平日の練習試合に１万人の観衆。「田中効果だろう。（元巨人）長嶋の再来だ」と野村監督が言えば、ロッテ・バレンタイン監督も「大嶺はとても良かった。野球人生が終わるまで（２人は）何度も対戦するだろう」

毎日新聞　2007年2月26日　17時45分　（最終更新時間　2月27日　0時13分）