計1兆1040億 三井住友も年度内に
大手銀行グループの三菱UFJフィナンシャル・グループとみずほフィナンシャルグループは、公的資金をそれぞれ6月中にも完済する方針を固め、国の窓口となる預金保険機構・整理回収機構と最終調整に入った。返済する公的資金は2グループ合計で1兆1040億円に上る。8960億円の公的資金が残る三井住友フィナンシャルグループも今年度内に完済する。
公的資金を完済した大手行は住友信託銀行だけだったが、新たに3大メガバンクも完済のめどが立ち、経営の自由度が増せば、銀行界は収益拡大に向けた新たな段階に入る。
1998年以降、三菱UFJとみずほには合わせて5兆円を超える公的資金が投入された。徐々に返済は進み、2004年度には三菱UFJが9960億円、みずほも8664億円を返済し、現在の残高はそれぞれ5040億円、6000億円まで減っている。
両グループの公的資金は、議決権がない代わりに配当が高い優先株式の形で整理回収機構が保有しているが、みずほは6月下旬の株主総会後に買い入れ消却する方針だ。三菱UFJは、整理回収機構が6月下旬をめどに優先株を普通株に転換した後、市場に売却するなどの形で公的資金を返済する見通しだ。
(2006年5月18日 読売新聞)