携帯電話機事業で国内大手の松下電器産業とNECは24日、携帯電話機の開発・製造を共同で行う合弁会社を設立することで大筋合意した。27日にも発表する。販売部門は自社に残し、パナソニック、NECのブランドは維持する。両社は05年度国内シェア2、3位で、シェアの合計は約32%(MM総研調べ)と、現在首位のシャープの2倍に達する。日本勢だけでも11社が乱立する国内市場再編の呼び水になる可能性もある。
新会社は両社の折半出資とし、年内に設立する。数千人規模の開発スタッフを移すほか、部品の共同調達や基幹部品となる半導体の共通化に取り組む。製造まで含めて事業統合を行うのは携帯メーカーでは初めて。
NECと松下は、01年8月に通話以外の付属機能を動かす基本ソフト(OS)の共同開発で合意し、コスト圧縮で一定の成果を上げている。ただ海外事業の不振に加え主力の国内販売も伸び悩み、携帯電話機事業全体では、05年度でNECが約250億円、松下は84億円の赤字を計上。このため合弁会社設立で、コストを一段と削減し、黒字転換を目指す。
携帯電話は、大容量・高速通信ができる第3世代(3G)への移行に伴って開発費が急増。テレビ受信など通話以外の機能の高度化もあって、1機種あたりの開発コストは100億円前後に達し、各社の重荷になっていた。【斉藤望】
毎日新聞 2006年7月25日