ホンダは26日、03年に自社開発した小型ビジネスジェット機の量産に向けた新会社を近く米国で設立し、10年以降、同国内で企業向けに発売すると発表した。これまでホンダは航空機用エンジンの開発や試験機の製造は手がけてきたが、今後は機体の量産にまで手を広げ、創業者の故・本田宗一郎氏の悲願だった航空機事業に本格参入する。
量産する小型ジェット機は、「ホンダジェット」と名付けられた6~7人乗りの双発機。新会社は秋ごろから受注を開始し、今後3~4年間で量産機としての認定を取得。10年中には第1号機の引き渡しを目指すという。米国の飛行機メーカー、パイパー・エアクラフト(フロリダ州)と業務提携し、販売・サービス網を整える。
ホンダは86年に小型ジェット機の研究を始め、03年には自社製のエンジンと機体を組み合わせた「ホンダジェット」の開発に成功。これまで累計240時間以上の試験飛行を行った。04年には世界最大のジェットエンジンメーカー、米ゼネラル・エレクトリック(GE)とも提携した。【小川直樹】
毎日新聞 2006年7月26日