【ローマ海保真人】サッカーのイタリア1部リーグ(セリエA)の不正疑惑事件で、同国サッカー協会のスポーツ裁判所が処分を科した4クラブの控訴審判決が25日にあり、フィオレンティナとラツィオの2部降格については1審裁定を覆し、セリエA残留を言い渡した。リーグ2連覇中のユベントスの2部リーグ(セリエB)降格は追認した。ユベントスは上告する方針。
控訴審裁定によると、ユベントスの過去2季連続優勝のはく奪も変わらないが、来季開幕時点での勝ち点減点が30から17に軽減された。このため1年でセリエAに復帰できる可能性も出てきた。
フィオレンティナは勝ち点を19、ラツィオは同11を減点され、セリエA開幕を迎える。両クラブは12万ユーロの罰金を科せられた。1審裁定で唯一セリエA残留を言い渡されたACミランは、来季の勝ち点減点が15から8に減らされた。欧州チャンピオンズリーグの予選にも出場できることになった。
ユベントスを除いては1審裁定の処分が大幅に軽減された。各クラブが上告し上級審が開かれれば、来季リーグ開催に混乱をきたすためとみられる。
個人では、審判員に有利な判定を行わせた不正疑惑の中心人物であるユベントスのモッジ元ゼネラルマネジャーが、1審通り5年間のサッカー界追放を宣告されたが、カラーロ前サッカー協会会長への4年半の追放は破棄された。
毎日新聞 2006年7月26日 10時44分 (最終更新時間 7月26日 10時56分)