【ローマ海保真人】イタリア・サッカー協会のスポーツ裁判は29日、ローマ市内のオリンピコ競技場に特設された法廷で開かれ、プロサッカー1部リーグ(セリエA)をめぐる不正疑惑事件の審理を始めた。裁定は7月9日までに下される予定。
審判員を不正に指名し、自チームに有利な判定をさせたとして、▽ユベントス▽ACミラン▽フィオレンティナ▽ラツィオのリーグ上位4クラブが審理対象となっている。また、ユベントスのモッジ前ゼネラルマネジャーをはじめ、各クラブの幹部や前サッカー協会長、10人の審判員らに対する処分も検討される。
ANSA通信によると、疑惑の中心人物とみられるモッジ氏は審判員を飲食接待し、ユベントスのスポンサーである自動車会社の車を半値で提供していたことが、新たに分かった。
「有罪」と判断されれば、ユベントスは2季連続の優勝をはく奪されるうえ、2部リーグ(セリエB)以下に降格される見通し。フィオレンティナ、ラツィオも降格の可能性がある。ACミランは1部に残るが、来季の欧州チャンピオンズリーグへの出場権を失う恐れがある。
イタリアはW杯でベスト8に進出しているが、国内では代表チームの戦いぶりとともに、「史上最大のスキャンダル」に対する裁判の行方に注目が集まっている。
毎日新聞 2006年6月29日 19時18分