【ニューヨーク坂東賢治】国連安全保障理事会常任理事国5カ国(米英仏中露)の国連大使は31日、レバノン情勢をめぐる非公式会合を開き、イスラエル軍とイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラとの停戦実現に向けた安保理決議案をめぐり、初の意見交換を行った。1日にはアナン事務総長と5カ国大使が協議するほか、安保理の非公式協議が行われる見通し。米国は週内の採択を強く求めており、早期採択に向けた動きが本格化する。
安保理筋によると、31日の会合ではフランスが提示している決議草案などをめぐって意見交換が行われた。ボルトン米国連大使は記者団に米国の独自案を準備していることを明らかにしており、ブッシュ米大統領と、中東訪問から帰国したライス米国務長官との協議などを受け、永続的な停戦実現に向けた具体的な構想を盛り込んだ決議案が示されるとみられる。
中露なども同調しているフランス案は、民間人の被害拡大を懸念し、戦闘の即時停止を求めている。これに対し、米国は即時停戦には否定的で、意見の食い違いがある。さらにレバノン南部への派遣を想定する国際部隊の具体化や、イスラエルとヒズボラ双方に受け入れ可能な停戦案の提示など、関係各国の合意が不可欠な課題も多い。
毎日新聞 2006年8月1日