自民党総裁選は8日告示され、安倍晋三官房長官(51)、麻生太郎外相(65)、谷垣禎一財務相(61)の3氏が立候補する。毎日新聞が1~3日に実施した全国世論調査(面接)で、次期首相にふさわしい人を聞いたところ、全体で55%、自民党支持層で74%が安倍氏の名を挙げ他の2氏を大きく引き離した。安倍氏は党所属国会議員の約8割の票を固めたうえ党員票でも浸透しており、優位は動かない情勢。アジア外交や社会保障・税制問題などがテーマとなる論戦では5年にわたる小泉改革・外交をどう総括し、新たな基軸を打ち出すかが焦点となる。
01年4月の小泉政権誕生以来、約5年5カ月ぶりに事実上、新首相を選ぶ選挙。立候補の受け付けは8日午前11時から30分間党本部で行われ、候補者は同日午後2時から共同で記者会見する。投開票は20日午後2時。党所属国会議員票403票と都道府県に割り振られた地方票300票の計703票で争う。
安倍氏は第1回投票で、決選投票回避に必要な過半数の票を獲得する見通し。安倍氏がどこまで圧勝するか、麻生、谷垣両氏のどちらが2位となるかはその後の閣僚・党役員人事にも影響するとみられる。
一方、毎日新聞の世論調査では、首相にふさわしい人は安倍氏が55%で過半数を占め、麻生、谷垣両氏は各6%にとどまった。自民党支持層では安倍氏74%に対し、麻生氏5%、谷垣氏3%で、安倍氏と他2氏との差はさらに拡大。今年4~7月の電話世論調査でも安倍氏は「ポスト小泉」候補として最も高い支持を維持しており、党内での優位が世論で裏付けられている実態を示した。
安倍氏は与党の公明党支持層で46%、野党の民主党支持層で45%、共産党支持層で32%など各政党支持層でも他2氏を引き離した。次期首相に必要な資質を尋ねたところ、「政策実行力」が30%で最も多く、「決断力」21%、「国際感覚」、「先見性」は各12%だった。【佐藤千矢子】
毎日新聞 2006年9月8日