自民党総裁選は20日、党所属国会議員による投開票と党員票の開票が行われ、小泉純一郎首相の後継総裁が決まる。国会議員と党員に幅広く支持されている安倍晋三官房長官(51)が圧勝で第21代の新総裁に選出されるのは確実な情勢。第1回投票で総票数703票の過半数にあたる352票を大幅に上回るだけでなく、全体の約7割にあたる500票(71.1%)を超えるかも焦点。2位争いは谷垣禎一財務相(61)と麻生太郎外相(65)が激しく競り合っている。
総裁選は国会議員票403票と都道府県に割り振られる地方票300票の計703票で争う。
安倍氏は所属する森派(86人)、二階派(15人)の全議員の票を固めたほか、谷垣派(15人)と河野派(11人)を除く丹羽・古賀派(50人)など5派のほぼ全員、もしくは大半から支持を得た。津島派(74人)のうち参院所属議員の一部の動向など流動的要素もあるが、国会議員票は無派閥を合わせ300票を超す勢い。地方票も200票を上回りそうで、第1回投票で過半数を制し、当選するのは確実だ。
立候補に一定数の国会議員の推薦が必要となった72年以降、最高得票率は95年の橋本龍太郎氏の77.7%。安倍氏がこれを上回るかという「圧勝度」も今後の政権運営を占うポイントとなる。
一方、谷垣氏は谷垣派の全員に加え、山崎派(36人)や津島派の一部が支持。地方票は地元の京都で優位に立つほか、山形でも安倍氏と競う。麻生氏も所属する河野派のほか、津島、丹羽・古賀両派の一部などから票を集め、地元の福岡や茨城で地方票を伸ばす。両氏とも総得票が100票前後の争いとなる見通しで、地方での浸透度が高い麻生氏がやや優位との見方もある。安倍氏は総裁選出を受けて25日に党三役を指名、26日の衆参両院本会議で首相に指名され、同日中に組閣する。【宮下正己】
毎日新聞 2006年9月19日