超A級の素質が強い関西馬を封じ込める。弥生賞(4日、中山)で台風の目になるのがマンハッタンバー。毎週金曜日に掲載する「気になる穴馬あの馬」で、昨年レコードデビューした関東馬の可能性を探った。
札幌芝1800メートル新馬戦は毎年ハイレベル、これは競馬関係者の常識だ。勝ち馬にはダービー、ジャパンCを制した00年ジャングルポケットなど、後の重賞ウイナーが続々。この条件を勝つことはエリートへのパスポートといえる。
マンハッタンバーは、そんな登竜門をレコードV。しかも倒した相手がハイレベル。6着のトーセンクラウンが、その後に東京の未勝利戦をレコードV。8着コートユーフォリアは2勝。マンハッタンが2秒3差ちぎり捨てた10着タスカータソルテは中京でレコード勝ちし、福寿草特別を4馬身差圧勝。弥生賞でも人気の一角を形成している。
マンハッタンバーは2戦目の寒竹賞で10着に大敗したが敗因は明らか。太め残りだった。ソエが出たため4カ月半ぶりで馬体重20キロ増。3角で息切れしたのも仕方ないところだった。6キロ馬体を絞って臨んだセントポーリア賞ではジリジリと伸びて3着。上がり3Fもトーセンクラウンに次ぐ34秒0。完全復調近しと思わせる走りだった。「成長分もあるのでこのくらいの体重でいい。これならやれるという感じ」と佐藤吉師もいい感触をつかんだ。
28日の追い切りでは主戦・横山典が騎乗。ローランデザート(3歳未勝利)、マジカルスター(4歳500万)の大外で力強く伸びて1馬身半先着。「(僚馬より)先にコースに出てしまったためタイムは予定より速くなってしまった」(佐藤吉師)が、ラストまで集中したまま5F62秒4は優秀だ。
最大のポイントは精神面。「気性が難しい。気を使うところがある」と同師。今回はイレ込みを防ぐため本馬場入場の先出しを希望するなど対策を講じた上で、作戦は横山典に任せる。少々癖のある馬でも手の内に入れて乗りこなしてしまうのがノリ。内枠を引いたり発馬が良ければ、逃げまで視野に入れているかもしれない。内ラチ沿いが傷んでいない今の中山はイン逃げ有利。出世レースをレコード勝ちした素質馬が復調したとあれば強力関西馬相手でも押し切れる。
スポーツニッポン 2007年3月2日