春の最強スプリンター決定戦「第37回高松宮記念」の最終追い切りが21日、美浦、栗東の両トレセンで行われた。栗東では7歳牝馬シーイズトウショウが池添を背に坂路を快走。繁殖入りを前に悲願のG1初タイトルの夢が膨らむ。
さすがは歴戦の女傑。坂路を軽やかに駆け上がるシーイズトウショウの走りには思わずうっとり?騎乗した池添は軽く手綱を動かした程度のアクション。それでいて、坂路テレビには「4F51秒5」の好時計が映し出されていた。
引き揚げて来た池添の笑顔がすべてを語っている。
「本当にいい状態なんです。香港(スプリント=10着)以来なので、負荷をかける意味で1週前にしっかり追って、きょうはサッと流す程度でいいと思っていた。しまいだけ気合をつけたけどいい反応だった。体重を気にしなくてもいい点で、昨年(3着)よりずっといい」
思えば、昨年は前哨戦オーシャンS(9着)を使ったことが裏目。栗東→中山の長距離輸送で18キロも激減し、馬体回復に専念せざるを得なかった。今年は十分に休養を取ったことで調教もハードにやれる。先週の15日も4F51秒7の好時計。これだけ攻めに徹し切れれば、衰えなど心配無用。担当の織川助手も「香港遠征で出た後肢の疲れも取れて、ある程度は強く…とのイメージで調教ができた。体はちょっと立派なぐらいだけど、きょうのひと追いと当日の輸送できっちり仕上がりそう」と温和な笑みで語った。
管理する鶴留師は出張で不在だったが、この一戦でラストランが既定路線。10度目のG1挑戦に懸ける池添の思いは誰よりも熱い。「中京はベストコース。G3、G2は勝っているし、何としてもG1を獲りたい。彼女と一緒に達成したいね」。重賞初制覇を(03年12月=CBC賞)を飾った思い出の中京1200メートル。G1の勲章を胸に繁殖入りの劇的Vを関係者の誰もが願っている。
スポーツニッポン 2007年3月22日