西武から金銭供与を受けた早大3年生選手の出身校、岩手・専大北上高が記者会見を開き、同校教諭で当時の野球部副部長兼コーチ(43)が関与していたと認めたことを受け、日本高校野球連盟の田名部和裕参事は14日、「きわめて悪質で、これまでの概念で裁けるものではない。過去に先例がないほど重い内容になるだろう」と処分について言及した。
同高の会見によると、元コーチは聴取に対し(1)選手が高3だった03年秋ごろ将来の西武入団を約束した合意書にサインした。金銭授受の認識はなかった(2)違反行為と知っていたが、絶対発覚することはないと確信していた(3)選手から13日になって「(金銭授受を)まったく知らないと言っていたが、実は知っていた。正直に話す」と言われ、自分も話すことを決めた--と答えたという。
田名部参事は「まだ全体の一部に過ぎない。一番重要なのは何を契機にこのような関係が築かれたか。プロ側がしっかり事実を把握し、報告してほしい」と語った。
この問題で東京ガスの木村雄太投手(21)も、秋田経法大付高3年の04年1月から現金供与を受け、その事実も知っていたことを認めている。
日本高野連は、西武からNPBに報告書が再提出されるのを待って、岩手、秋田両県高野連に事実調査を求める。その結果をもとに処分を検討するが、田名部参事は「加盟校の校長が責任を持って調査したものを重視して対応することになるだろう」と話した。【滝口隆司】
毎日新聞 2007年3月14日 21時54分