14日に行われたサッカーの北京五輪アジア2次予選B組で、22歳以下(U22)マレーシア代表を2-1で降したU22日本代表の選手は15日、成田空港着の航空機で帰国。いったん解散した後、Jリーグ戦などをはさみ、28日のシリア戦(東京・国立競技場)に向け再集合する。14日のマレーシア戦では代表初ゴールを挙げた李忠成(柏)とともに、初先発出場を果たしたGK林彰洋(流通経済大)も終始安定した守りで日本の勝利に貢献した。
◇GK林彰洋(19)=流通経大…落ち着きが真骨頂
「この経験を次にどう生かしていくかが問題。地道にステップアップしたい」。チーム最年少の19歳は大仕事を成し遂げた後も、しっかりと今後を見据えていた。この落ち着きが林の真骨頂でもある。
決して楽な展開ではなかった。マレーシアは時折鋭いミドルシュートを放ち、ホームの力を追い風にして攻勢。さらに、ぬかるんだピッチと滑りやすいボール。GK泣かせのコンディションだった。その中でも、持ち味の的確な位置取りと素早い判断で、セットプレーの失点だけに抑えた。
特に、光ったのは不用意なパンチングを極力避けたことだ。雨でボールが滑りやすいため、キャッチするよりはじき出したくなる。だが、マレーシアは積極的にラインを押し上げ、FWがゴール前に詰めている場面も多く、安全策のつもりが大きなピンチになる恐れもあった。
終了直前にはハイボールを争って相手と交錯。192センチの巨体がピッチに大の字に寝そべり、周囲をヒヤリとさせる場面もあったが、「動揺することなく、平常心でプレーできた。ただ、コーチング(声の指示)がうまく伝わらなかったのは反省材料」と冷静にプレーを分析してみせた。
昨年まで正GKだった西川が左ひざのじん帯を痛め離脱。GKは手薄になっているだけに、長丁場を戦い抜く上でもさらなる成長が期待される。【仁瓶和弥】
毎日新聞 2007年3月15日 17時10分 (最終更新時間 3月15日 17時13分)