北京五輪を目指すサッカーの22歳以下(U22)日本代表に頼れる正GKが帰ってきた。
西川周作、20歳。大分トリニータの守護神としてすでにJ1で53試合に出ている。昨年11月の甲府戦で左ひざじん帯を痛め、リハビリ生活を送ってきたが、驚異的な回復を見せた。代表復帰戦となる五輪アジア2次予選第3戦シリア戦(28日、東京・国立競技場)を目前に、「2勝同士の戦い。譲るわけにはいかない」と勝利を誓った。
大けがを克服してきた西川の胸中には「この試合を目標にしてきた。失点ゼロにこだわりたい」と強い思いがある。体に対する意識も変わった。「この世界は体が資本。温泉に入って今までより体をケアする時間を増やしたり、食べ物に気を配るようになりました」。試合勘もJリーグで実戦を重ねたことで「不安はない」と言い切る。
シリアは05年の世界ユース選手権(現U20W杯)に出場した時のメンバーが中心。この時は1次リーグでイタリアを破る番狂わせを演じ、日本と同じ16強という成績を残した。日本は昨年末のドーハ・アジア大会でひとつ上の世代中心のシリアと対戦し、1-0で勝っているが、反町監督は「ドーハの時とはまったく別のチーム。欧州スタイルのモダンなサッカーをし、1対1の能力でも互角かもしれない」と強く警戒している。だからこそ、ゴールマウスを守る西川の動きは重要だ。
西川はすでにA代表に招集された経験も持つ。183センチ、79キロ。反応の素早さが魅力だが、正確なキックも持ち味。守備だけでなく、前線へのフィードボールが味方の攻撃も助けるはずだ。【安間徹】
毎日新聞 2007年3月28日 10時20分 (最終更新時間 3月28日 10時50分)