サッカーの欧州選手権第6日は12日、オーストリアで1次リーグB組の2試合を行い、クラーゲンフルトではクロアチアが最多3度の優勝を誇るドイツを2-1で下し、準々決勝進出を決めた。ウィーンでは地元オーストリアが終了間際のPKで追いつき、ポーランドと1-1で引き分け、8強進出の可能性を残した。
クロアチアは前半24分にMFスルナが先制し、後半17分にFWオリッチが加点。ドイツは同34分にFWポドルスキが今大会3点目を挙げたが及ばなかった。
オーストリアは前半30分にMFゲレイロの先制点を許したが、後半ロスタイムに元Jリーグ名古屋のMFバスティッチがPKを左隅にけり込んだ。(共同)
◇大会最年少39歳の監督 戦術のセンスは屈指
予選でイングランドに2勝したクロアチアが、優勝候補の一角ドイツをねじ伏せた。39歳のビリッチ監督は大会最年少だが、戦術のセンスとチームをまとめる力は屈指だろう。「ドイツに勝つには最高のプレーをするしかない。それができた」と誇った。
相手の司令塔バラックを、かつて同僚だった主将のN・コバチが徹底マーク。長身FWに合わせてくるボールはDFシムニッチがはね返した。得点はともに、サイドで素早いパスを回してスペースをつくってから上げたクロスが生んだ。
個々の力は高いが、連係に難があるドイツの長所と短所を完ぺきに把握し、主導権を握った。
同監督は、3位に入った1998年ワールドカップの準々決勝でドイツに3-0と完勝したチームの主力だった。ドイツに勝ったときの気分を熱を込めて語り、シムニッチ、オリッチらドイツでプレーする選手の琴線に触れた。
「(聖地)ウェンブリーでイングランドに勝つより意義深い勝利だ」。狙い通りに選手を踊らせ、満足感に浸った。(共同)