サッカーのアジアクラブ王者を決めるアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)は21日、1次リーグ第2節が行われ、F組の川崎はバンコク・ユニバーシティー(タイ)に1-1で引き分け、通算1勝1分けで勝ち点4とした。ホームの川崎が圧倒的に攻めたが、詰めを欠き、後半オウンゴールで追い付くのがやっとだった。
E組の浦和はアウエーでシドニー(オーストラリア)と2-2で引き分け、通算1勝1分けで勝ち点4となった。浦和は2点を先行されたが、ポンテと永井のゴールで追い付いた。第3節は来月11日に行われ、川崎は全南(韓国)、浦和は上海申花(中国)とそれぞれ対戦する。
▽川崎・関塚監督 勝ち点3が取れず残念。簡単にボールを失うなどゲームの入り方が悪かった。
▽バンコク・ユニバーシティー・ソムチャイ監督 先制は狙い通り。退場者を出し不利になったが、粘り強く守ることができた。
▽川崎・中村 崩しはできていたが、最後の精度が足りなかった。
◇情報が少ない相手と戦う国際試合の怖さ…川崎
国際試合の厳しい洗礼を浴びたのは、皮肉なことにホーム初戦の川崎だった。
先制点を許したのは開始直後。互いの手の内を探り合っている時間帯だった。相手陣でキープしていたボールを奪われ、たてパス1本でゴール前へ。黒津が「相手に勢いをつけさせてしまった。一番やられたくなかったパターン」と悔やむ痛恨の失点だった。
この後は一転して守りを固めるバンコクを崩せなかった。最も警戒していた形で先制を許し浮足立ったのか、シュートが枠をとらえ切れない。後半途中から切り札の我那覇を入れ、3トップに変更。相手DF陣の欠点である高さを突こうとパワープレーも試みたが、打開できなかった。
バンコクはプロと大学生の混成チームながら、川崎を相当研究していた。相手陣では自由にボールを持たせ、自陣に入ってくるとすかさず素早い寄せ。ラストパスの出し手であるジュニーニョを徹底マークした。
オウンゴールで敗戦こそ免れたが、退場者を出して1人少ない相手をせめあぐねるふがいないなさに、試合後はサポーターからブーイングが出るほどだった。「油断していたわけではない。立ち上がりからしっかり戦おうと確認していたが、感覚が慣れるまで多少時間がかかったかも」と関塚監督。情報が少ない相手と戦う国際試合の怖さをかみしめているようだった。【仁瓶和弥】
毎日新聞 2007年3月21日 20時20分