第79回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)は22日、阪神甲子園球場で開会式リハーサルを行い、出場選手たちが本番さながらに入場行進し、式次第を確認した。
開会式は23日午前9時から、入場行進曲「宙船(そらふね)」を演奏する近畿6府県警察音楽隊の先導で、前年優勝の横浜(神奈川)、準優勝の清峰(長崎)に続いて出場校が南から順に行進する。
司会は愛知・光ケ丘女高を今春卒業した猪飼美穂子さんと、青森・弘前高3年(新学年)の三浦友里さん。国旗掲揚の際には、山形・山形東高を同日卒業する深瀬廉さんが国歌を独唱する。
優勝旗、準優勝旗の返還の後、大会会長の北村正任・毎日新聞社社長、審判委員長の脇村春夫・日本高野連会長らがあいさつし、千葉経大付(千葉)の飯窪宏太主将が選手宣誓する。
第1試合は午前10時20分開始予定。遠藤利明・副文部科学相が始球式を行った後、佐野日大(栃木)-大牟田(福岡)で12日間の熱戦の火ぶたが切られる。【藤倉聡子】
◇今大会から「低反発球」採用
今大会から国際規格に準じた「低反発球」が採用される。昨夏は従来の記録(84年の47本)を大幅に上回る60本の本塁打が飛び出した。この傾向が新球の登場によってどう変わるかは一つの見どころだ。
センバツの大会通算最多本塁打記録は、84年の第56回大会でマークされた30本。この大会は、PL学園(大阪)が2年生の清原(現オリックス)を擁して準優勝した年だ。しかし、それ以降、本塁打が量産される年はなく、第60回大会以降を見ても、20本以上だったのは4回しかない。昨年は14本だった。
日本硬式野球ボール商工会によると、時速130キロのボールを時速120キロのバットで打ち、飛び出し角度を27度と仮定した場合、「低反発球」は、従来なら100メートルの飛距離が約1.2メートル抑えられるという。
しかし、高校通算72本塁打をマークしている大阪桐蔭の中田は「(以前の球との)違いはあまり感じられない。投げる方では指によく引っかかるが」と話す。縫い糸が麻糸から綿糸に変わり、縫い目が高くなったため、投手は指先の感覚に違いを感じているようだが、「飛距離ダウン」を証言する打者は今のところ、見当たらない。
バットの重さは01年秋の大会から900グラム以上と規定され、当初は本塁打数も減少した。しかし、最近は筋力トレーニングが定着し、重いバットを振りこなす力が高校生についてきたという見方は根強い。今回もパワーをつけようと意識的に体重増に取り組んでいるチームが多く見られる。
伝統的に「投高打低」といわれるセンバツ。縫い目の高さを利用して変化球の切れを増した投手が優位となるのか。それとも球児のパワー化に後押しされて本塁打がまたも量産されるのか。低反発球の“行方”が注目される。【滝口隆司】
毎日新聞 2007年3月22日 18時28分 (最終更新時間 3月23日 1時42分)