【ブラデントン(米フロリダ州)高橋秀明】米大リーグ、パイレーツのキャンプに、マイナー契約の招待選手として参加している元巨人の桑田真澄投手(38)は28日、試合中の右足首ねんざで病院へ運ばれた後、初めて報道陣の取材に応じた。桑田は26日にけがを負った瞬間の心境を「終わったかな、という気持ちがあった」と話し、メジャー挑戦を断念することが頭をよぎったことを明かした。
桑田は今後、マイナー選手の身分のままでリハビリを続けた後、傘下の3Aでメジャー昇格を目指すことになった。
桑田の一問一答は次の通り。
--右足首を負傷した直後は、どんな思いだったか。
足首の感覚がなかった。(足首が)なくなったかと思った。自分で足首を戻そうと思っても戻らなかった。「もう終わったかな」という気持ちがあった。手術が必要だと3、4カ月かかる。そうすると、(1年契約の)今年が終わってしまうから、検査が済むまで不安だった。
--投球開始まで4~6週間と診断されたが。
骨に異状はない。筋肉とじん帯も手術の必要がないと分かった。今日から練習を再開した。少しキャッチボールもしたし、明日からもできる限り練習したい。
--痛みはどの程度か。
痛くて、なかなか歩けない。体重がかけられない。
--ブラデントンでリハビリ後、インディアナポリスの3Aに移るということだが。
こちら(ブラデントン)の方が暖かいので、回復が早いだろうということでそうなった。人生は選択の連続。実戦感覚から離れてしまうので、こっちでも何回か投げたい。
--メジャー昇格が遅れることになったが。
(昇格の)早さを競っているわけではない。自分の目標を立てたわけだから、それに向かって最善の努力をしたい。
--実戦復帰の見通しは。
まだ走れないから計算できない。
--体のケアを入念にしてきたにもかかわらず、アクシデントに見舞われた。
野球も人生も一緒。何が起こるか分からない。これをプラスに変えていくことが大事。何とか、もうひと踏ん張りしたい。
--メジャーのキャンプを振り返ってみて。
非常に充実していた。(打者を)抑える感覚をつかめてきた。これからが楽しみ。「この投球をすれば」ということがインプットされている。
--三塁ベースの付近で球審と接触したことは想定外だったか。
(ベースの)カバーに行く時は、必ずボールを見ながら塁審がどこにいるかを視界の中に入れているが、まさか後ろから(球審が)来るとは思わなかった。(当日は審判3人制で、球審が三塁上の判定をしていたが)そこまで気づかなかった。注意力が足りなかった。
--日本のファンに向けて。
早く復活できるように、頑張る。それだけ。また何か、いいことがあるだろう。
毎日新聞 2007年3月29日 9時48分