国内には現在、108の活火山がありますが、栃木県の代表的な火山・男体山が、新たに活火山として認められる可能性が出てきました。
新たに活火山の「仲間入り」をしそうな火山があります。日本百名山のひとつ、栃木県北西部に位置する男体山です。
「活火山であると全く考えないで(調査を)始めていた」(富山大学 石崎泰男助教)
国内には現在、108の活火山があります。気象庁は、活火山を「1万年以内に噴火した形跡があるか、現在活発に火山ガスなどを出している」火山と定義しています。
男体山は最後の噴火が1万4000年前とされてきたため、活火山とは言えませんでした。
富山大学の石崎泰男助教らの研究チームは、男体山の火口内に足を踏み入れ、過去の噴火の痕跡を丹念に調査しました。火山灰などが積み重なった地層の中に、樹木が立ったまま黒く焼け焦げているのが見つかりました。
この木がいつ頃生えていたのか年代を測定したところ、およそ7000年前とわかったのです。
「(最後の噴火が)こんなに新しいとは考えていませんでした」(富山大学 石崎泰男助教)
もし、7000年前に噴火していたとすれば、男体山は、「過去1万年以内に噴火」とされている活火山の条件を満たすことになります。
「男体火山が活火山である可能性が、非常に高くなったと言えます」(富山大学 石崎泰男助教)
この最新の研究結果は秋田で開かれた地質学会で発表され、ひときわ注目を集めました。
「1万4000年前の噴火は非常に大規模で、火砕流が日光市内まで到達しています。大規模な火砕流が・・・」(富山大学 石崎泰男助教)
現在、男体山の火山活動は落ち着いていますが、山麓には国内有数の観光地・日光があります。
「男体山が、爆発する潜在能力を持った火山ということを認識した上で、自治体の防災対策を考える必要があると思います」(富山大学 石崎泰男助教)
男体山を活火山として認めるかどうか、気象庁は火山噴火予知連絡会での検討結果を踏まえて判断する方針です。(22日18:45)