金融危機に対応するため、アメリカのポールソン財務長官は19日、金融機関からの不良債権の買い取りなど包括的な対策に乗り出すことを発表しました。
「けさ、金融システムへの信頼性を回復させるために、いくつかの力強い戦術的な措置をとることにしました」(ポールソン財務長官)
緊急記者会見したポールソン財務長官は、金融機関に流動化できない資産が留まっていることが金融システムの元凶になっているとして、金融機関から不良債権を買い取って処理する仕組みを作る構想を正式に表明しました。
その上で議会に対し、買い取り規模を十分大きなものにするよう求めると共に、来週中の可決に期待感を示しました。
また、ポールソン財務長官は投資信託の一種で社債などを組み込んだ「MMF」を政府が保護するために、最大500億ドル、およそ5兆円の基金を設けること、政府系の住宅金融会社が住宅ローン関連証券をさらに市場から買い増すことも明らかにしました。
「アメリカ経済は、前例のない課題に直面しています。我々は前例のない行動で、これに対処します」(ブッシュ大統領)
また、ブッシュ大統領もポールソン長官、FRBのバーナンキ議長を伴って声明を発表し、市場安定への決意を示すと共に、「銀行預金は保護されている」と国民に冷静な対応を呼びかけました。(20日02:22)