今月運転を始めたばかりの世界最大の素粒子実験施設で事故が起き、世界の研究者から注目されていた宇宙の誕生と進化の解明を目指す実験が2か月以上中断されることになりました。
事故が起きたのはスイスのジュネーブ郊外に建設された世界最大の素粒子実験施設「大型ハドロン衝突型加速器」で、19日、地下100メートルに設置された1周27キロの円形のトンネル内に大量のヘリウムが流出しました。電気系統の接続の障害が原因とみられています。
施設の運転は今月10日から始まったばかりですが、実験を運営していた「欧州合同原子核機構」は20日、「人体に影響はないものの、実験を2か月以上停止する」と発表しました。
宇宙誕生の直後に出来た未知の素粒子の発見などを目指すこの実験は世界中の研究者から注目を集めていましたが、この事故で開始直後からつまづく形となりました。(21日11:21)