第41回全日本大学駅伝対校選手権は1日、名古屋市の熱田神宮から三重県伊勢市の伊勢神宮までの8区間106.8キロに、25校とオープン参加の東海学連選抜の計26チームが参加し、日大が5時間21分4秒で4年ぶり3回目の優勝を果たした。日大は最終8区でケニア出身のダニエルが約2分差を逆転。逆に2位に3分半を超える大差をつけた。2位は今年の箱根駅伝優勝の東洋大、3位に明大が入った。6位中大までが来年の出場権を得た。4連覇を目指した駒大は7位。9位まで関東学連の大学が占め、それ以外では九州の第一工大の10位が最高だった。(午前8時の名古屋の気象状況=曇り、気温18度、湿度67%、東南東の風1メートル)
◇日大のアンカー、ダニエルがごぼう抜きで約2分差逆転
日大のアンカーはケニア出身のダニエル。1月の箱根駅伝で20人抜き、10月の出雲(全日本選抜)ではトップと41秒差を逆転して優勝の原動力になった。そしてこの全日本でも1分53秒差をひっくり返す離れ業だ。
堀込ヘッドコーチの「1分半(の差)なら」の期待に対し、ダニエルは「3分あれば抜けると思った」。3位でタスキを受けたのに7キロすぎにはトップに立ち、最後は余裕のガッツポーズ。
堀込コーチは「就任前はケニア出身選手を特別に考えることもあったが、今は日本人との隔たりはない」。だが3区まで9位の出遅れを、4区でベンジャミンが区間賞の活躍で4位まで上げる健闘。ケニア出身2選手だのみは否めない。5区の主将・谷口は出雲に続く今季2冠にも「日本人の力が足りない」と課題も口にする。
ダニエルが「本当に喜ぶのは箱根で優勝してから」と語るように、各校が本当にピークを持ってくるのは新春の箱根路。距離は全日本の約2倍、人数も2人増の10人で競う。山道の上り下りもある難しいコースで、どんな「日本一の走り」を見せるか。【村社拓信】
○…3回目出場の明大が過去最高の3位。1区の10位から徐々に順位を上げ、5区の安田が区間賞の走りで首位に躍り出て、8区途中で日大のダニエルに抜かれるまで維持した。安田は「本調子ではなかったが、収穫はあった」と結果に満足げ。今年1月の箱根駅伝では8位で、43年ぶりにシード権を得るなどチーム力が向上。新春の走りが注目される。
○…4連覇を目指した駒大が勝負どころで失速した。2区宇賀地が8人抜きの力走でトップに立ったが、4区で13位に落ちるブレーキ。6区高林の区間賞もあったが、6位中大とわずか12秒差の7位でシード権を失った。順位変動の激しい展開に大八木監督は、「自分の調子を分かっていないで走っている」。
◆記録
▽総合成績(8区間=106.8キロ)(1)日大(井上、佐藤、堂本、ベンジャミン、谷口、丸林、横松、ダニエル)5時間21分4秒=4年ぶり3回目の優勝(2)東洋大5時間24分40秒(3)明大5時間24分54秒(4)早大5時間25分46秒(5)山梨学院大5時間26分5秒(6)中大5時間26分26秒
【区間最高】1区(14.6キロ)キラグ・ジュグナ(第一工大)42分47秒▽2区(13.2キロ)宇賀地強(駒大)37分50秒▽3区(9.5キロ)渡辺嵩仁(中央学院大)27分38秒▽4区(14.0キロ)ガンドゥ・ベンジャミン(日大)41分12秒▽5区(11.6キロ)安田昌倫(明大)34分51秒▽6区(12.3キロ)高林祐介(駒大)36分9秒▽7区(11.9キロ)遠藤寿寛(明大)、田中貴章(東洋大)36分6秒▽8区(19.7キロ)ギタウ・ダニエル(日大)56分54秒