総務省が5日発表した2014年の住民基本台帳に基づく人口移動報告によると、中国5県全てで転出者が転入者を上回った。5県合計の転出超過数は9400人と13年より493人減ったが、高水準が続く。広島市の転入超過数が大きく減少。他の地方では札幌市や福岡市では高水準の転入超が続いており、中心都市の求心力の低下も浮き彫りになった。
5県全てで転出超過となったのは2年連続。東日本大震災による移住が多かった11年を除いて、8千人台後半から9千人台が続いている。転出超過数は島根、山口で前年より拡大し、鳥取、岡山、広島で縮小した。
鳥取は転出超過数が前年の1683人から1131人に大きく減少した。転入者が09年以降5年ぶりに増加したのが影響した。14年度上半期には過去最高の543人が移住するなど、県などの支援策が成果が出ているのが要因だ。
特に20~40代の若い世代の移住を促そうと、県は子育て支援や豊かな自然環境を売り込んでいる。県は「下見に訪れる際の交通費補助など実際に鳥取を見てもらうことに力を入れている」(とっとり暮らし支援課)という。
市町村別では呉市(広島県)が904人の転出超過で、全国で16番目に多かった。広島市の転入超過数は前年の1043人から375人に大きく減少した。