【NQNニューヨーク=古江敦子】9日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3営業日ぶりに反発し、前週末比35銭円高・ドル安の1ドル=118円60~70銭で取引を終えた。米株式相場の下落を背景に投資家心理が悪化し、ドルに比べ金利水準が低い円を買う動きが優勢になった。
親ロシア派の武装勢力と政府軍の戦闘が激化するウクライナ東部情勢を巡り、米独首脳が9日にウクライナへの軍事支援などを巡り会談した。地政学リスクの高まりが意識され円が買われた。
前週末に1月の米雇用統計の良好な内容を受け円安・ドル高となった。9日はこの反動で利益確定を目的とした円買いが入りやすかった。
円の高値は118円33銭。安値は118円77銭だった。
円は対ユーロで続伸した。前週末比35銭円高・ユーロ安の1ユーロ=134円25~35銭で取引を終えた。ギリシャのチプラス首相が8日、2月末に期限切れになる欧州連合(EU)などからの金融支援について6月までのつなぎ措置を求める考えを示した。ギリシャとEUなどの交渉の先行きに不透明感が強まったとの受け止めから、ユーロ売りが優勢になった。
ユーロは対ドルで小幅ながら反発。前週末比0.0005ドル高い1ユーロ=1.1320~30ドルで終えた。早朝にギリシャ債務問題の不透明感から一時1.1270ドルと1月29日以来のユーロ安・ドル高水準を付けた後、利益確定や持ち高を調整する目的のユーロ買いが優勢になった。
ユーロの高値は1.1355ドルだった。
カナダドルが米ドルに対して上昇。1米ドル=1.24カナダドル台後半と、前週末の1.25カナダドル台前半から水準を切り上げた。原油先物相場の上昇を背景に、石油産業が支える同国経済の先行きへの懸念がやや和らいだ。