2月半ば、ウクライナ東部シチェルビフカ村の駅近くで火に当たって暖をとる鉄道封鎖中の活動家ら=ロイター
ウクライナ東部を占拠する親ロシア派勢力は1日、支配地域内で活動するウクライナ企業を強制管理に移すと発表した。事実上の接収で、支配地域と外部を結ぶ鉄道を一部野党議員らが封鎖したことへの報復という。封鎖はすでに1カ月を超え、ウクライナ全土の経済に影響。ポロシェンコ政権は対応に苦慮している。
親ロシア派の発表後、ウクライナの大手電話会社「ウクルテレコム」は、東部ドネツク州の同派支配地域で全サービスが止まったことを明らかにした。現地の事務所が武装勢力におさえられ、域内の設備を制御できなくなったという。
2014年春からの紛争で、親ロシア派支配地域では行政などあらゆる公共部門を武装勢力が管理する一方、鉱工業を中心にウクライナの財閥系企業も活動を続け、全土の発電所や金属精製工場に石炭、原料を送り出していた。現地では住民の数少ない雇用の場だ。
しかし、トランプ米大統領が就任した直後の1月26日から、北側の政府支配地域で野党議員と政府軍の元兵士の活動家らが線路を封鎖。貨物列車の運行が止まり、出荷先を失った炭鉱、工場が活動不能に陥った。
鉄道を封鎖する元兵士らは、物…