野村証券は20日、2014~16年度の日本経済見通しを発表した。15年度の実質国内総生産(GDP)の成長率は前年度比2.1%と前回予想から0.2ポイント引き下げた。16日に発表された2014年10~12月期のGDP速報値を反映した。
14年度成長率は0.4ポイント引き下げマイナス0.8%、16年度は0.2ポイント引き上げ1.8%にそれぞれ修正した。15年度は消費増税の影響が和らぎ、日本経済は輸出を起点に回復軌道をたどると展望。原油安で貿易収支が15年4~6月期以降に黒字転換するとしたほか、インフレ率の低下による実質賃金の改善で国内消費の刺激も見込む。日銀の追加緩和は10月に実施する可能性が高いとした。
財政政策をめぐっては、政府が掲げる20年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)黒字化の目標達成は難しいと指摘。記者会見した木下智夫チーフエコノミストは、20年の黒字化達成には「消費増税を10%よりさらに3~4%上げるとか、社会保障費をかなり削るといった痛みの伴う選択を迫られる」と話した。
証券大手の日本経済見通しでは、19日発表したSMBC日興証券が15年度の成長率を2.3%としている。〔日経QUICKニュース(NQN)〕