大阪府の中原徹教育長が教育委員に高圧的な発言をしたと指摘された問題で、府教育委員会が設置した第三者委員会は20日、「威圧的な発言などがあった」としてパワーハラスメントにあたるとする報告書をまとめ、公表した。府教委の職員4人に対しても異動を示唆するような発言をしたとしてパワハラを認定した。
中原氏を教育長に起用した松井一郎知事は「罷免要件には当たらない」として続投を容認した。府教委の陰山英男委員長は、知事の最終的な判断や23日開会の府議会での議論を踏まえ、処分を検討する方針を示した。
不適切とされた発言は昨年10月の教育委員会議で立川さおり教育委員が言及して表面化した。府教委は弁護士3人による第三者委を設置し、聞き取りなどを進めてきた。
報告書によると、認定こども園に関する条例改正案に反対した立川委員に対する中原教育長の「罷免させるために動かなければならなくなる」との同10月の発言などについて、「威圧的で精神的苦痛を与えた」と結論づけた。
このほか、職員4人にも「やめてもらいます」と異動などを示唆したり、「(発言が)理解できない。精神構造の鑑定を受けないといけない」と発言したりしたと指摘。パワハラとして違法性があると認定した。
中原教育長は記者会見し「コミュニケーションが未熟で反省している。チャンスをいただければ続けたい」と語った。
松井知事は記者団に「反省して教育改革をやってほしい」と述べた。