福岡県糸島市で、市消防本部の男性職員13人が数年間にわたって、部下に暴行を加えたり暴言を吐いたりするパワハラ行為を繰り返していたことが市への取材で分かった。職員計100人のうち30人近くが被害を受けたといい、複数が退職。市は加害側の職員を懲戒処分にする。
市関係者によると、いずれも40代の課長補佐級と係長級の2人がパワハラの中心だったという。職員らは訓練中に部下を殴ったり蹴ったりしたほか、業務中に「やめてしまえ」とののしるなど嫌がらせを繰り返した。また、上司の業務命令を聞かず、自宅を訪れ暴言を吐くこともあった。
昨年、市が職員を対象にとった匿名のアンケートでパワハラ被害の訴えが寄せられた。約30人に聞き取り調査をしたところ、多くの職員が被害を認めたという。
精神的苦痛を訴えて通院したり、出勤できなくなったりした人もおり、若手の3人が嫌がらせなどを理由に退職したという。
市幹部は「パワハラは(市町合併で糸島市が発足した)2010年当時から継続的に行われていたようだ。悪質であり、最も厳しい処分を含めて検討している」としている。