23日午前の東京外国為替市場で円相場は続落した。12時時点は1ドル=119円04~06銭近辺と、前週末20日の17時時点に比べ22銭の円安・ドル高で推移している。
朝方から円売り・ドル買いが先行した。ギリシャの債務危機が当面は避けられたとの観測から、投資家のリスク回避姿勢が後退し、低金利通貨である円を売りドルを買う動きが優勢だった前週末の海外市場の動きを引き継いだ。その後、円は次第に底堅くなった。ギリシャ債務問題に関連した今回の合意が「時間稼ぎで本質的な解決には至っていない」(外国銀行)との見方から、円を一方的に売る動きは限られた。米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長の議会証言を週半ばに控えていることも様子見姿勢につながり、積極的に持ち高を傾ける動きは限定的だった。
午前10時前後の中値決済では「国内輸出企業による円買い・ドル売り注文が入った」(国内銀行)との観測があり、円は下げ幅を縮小する場面があった。その後、取引材料が少ないため、円は次第に方向感に乏しい値動きとなった。
日銀は8時50分、1月末に開催した金融政策決定会合の議事要旨を発表したが、市場の反応は薄かった。11時すぎ、黒田東彦総裁が衆院予算委員会に出席して発言したが、為替相場の反応は限られた。
9~12時の円の安値は119円16銭近辺、高値は119円ちょうど近辺で、値幅は16銭程度だった。
円は対ユーロで反落した。12時時点は1ユーロ=135円51~56銭近辺と、同57銭の円安・ユーロ高で推移している。
ユーロは対ドルで反発した。12時時点は1ユーロ=1.1381~84ドル近辺と同0.0026ドルのユーロ高・ドル安で推移している。〔日経QUICKニュース(NQN)〕