27日早朝の東京外国為替市場で、円相場は反落して始まった。8時30分時点では1ドル=119円37~40銭近辺と、前日17時時点に比べ56銭の円安・ドル高水準で推移している。米景気の堅調さを映す経済指標を受けて前日のニューヨーク市場で米連邦準備理事会(FRB)の利上げ後ずれ観測が和らぎ、米長期金利が上昇(米国債価格は下落)。低金利通貨の円を売ってドルを買う動きが強まった。この流れを受けて東京市場でも7時ごろに一時119円42銭近辺まで円が売られた。
半面、東京市場では新たな取引材料が少なく、円は下げ渋っている。総務省は8時30分に1月の全国消費者物価指数(CPI)を発表。上昇率が市場予想をわずかに下回ったが、円相場の反応は限られた。
円は対ユーロで大幅に続伸して始まった。8時30分時点では1ユーロ=133円67~78銭近辺と同1円19銭の円高・ユーロ安水準で推移している。「前日に欧州主要国の国債利回りが低下したことがユーロ売りを誘っている」(JPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉チーフFXストラテジスト)との指摘があった。欧州連合(EU)のギリシャに対する金融支援問題の先行きに不透明感が根強いこともユーロ売りの圧力となっているようだ。
ユーロの対ドル相場は大幅に続落して始まった。8時30分時点では1ユーロ=1.1199~1.1202ドル近辺と同0.0152ドルのユーロ安・ドル高水準で推移している。FRBによる今年半ば以降の利上げが意識されてドルが主要通貨に対して買われる流れにつれた。ユーロは約1カ月ぶりの安値水準で推移している。〔日経QUICKニュース(NQN)〕