りそなホールディングスは27日、政府から注入を受けた公的資金の残額1280億円の完済と新しい事業計画を正式に発表した。2018年3月までに返す計画を前倒しして、6月に開く株主総会後に返済する。03年に2兆円の公的資金が投入されて実質国有化されたりそなショックから12年を経て、りそなの再生に区切りがつく。
りそなは安定株主を確保するため、第一生命保険と日本生命保険への株式割り当ても発表した。りそなが保有する1億3千万株の普通株を第一生命に7千万株、日生に6千万株割り当てる。調達額は総額で865億円。第一生命は5.49%のりそな株を保有する筆頭株主に、日本生命は2.86%を保有する第5位の株主になる。
公的資金の完済を機にこれまで返済に充ててきた利益の還元策も強化する。15年3月期の配当は従来の計画から2円引き上げて17円にする。16年3月期以降、中間配当も始める。保有株数に応じてマイルなどに交換できるポイントの付与を盛り込んだ株主優待制度の導入も決めた。ATM手数料が無料になるなどの優遇制度も設ける。
りそなはピーク時に3兆1280億円の公的資金を抱えたが、旧銀行時代から17年で完済する。今後は株主還元策のほか、地域金融機関との連携など成長戦略が課題になる。