りそなホールディングス(8308)が12日に発表した2015年3月期の連結決算は、純利益が前の期比4%減の2114億円だった。法人実効税率の引き下げに伴う繰り延べ税金資産の取り崩しが響いた。一方、本業である保険販売などが好調に推移し従来予想の1900億円や市場予想の平均値であるQUICKコンセンサス(4月30日時点、2社)の2055億円を上回った。期末配当は2円増の17円と従来の計画を維持した。
本業のもうけを示す実質業務純益(傘下銀行合算ベース)は10%増の2451億円だった。保険販売や不動産仲介が好調だったほか、投資信託の販売も増えた。中小企業を中心に設備投資のための資金需要の高まりを背景に貸出残高は伸びたが、国内貸出金の利ざやが1.35%と、0.09ポイント低下したことが響き資金利益は減少した。
16年3月期の純利益は前期比17%減の1750億円を見込む。株式関係損益の減少に加え与信費用が増加する見通し。QUICKコンセンサスの1703億円(4月30日時点、3社)は上回った。記者会見した東和浩社長は「金利環境が厳しく今期の貸出金の利ざやも0.07ポイント程度の悪化を見込むが、減益要因の半分ぐらいは貸し出し増で取り戻したい」と話した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕