春日大社(奈良市)は6日までに、20年に1度の修繕事業「式年造替(しきねんぞうたい)」に合わせ、国宝の本殿を初めて一般公開すると発表した。通常は皇室関係者しか入れない内院(ないいん)に入り、本殿を間近で見ることができる。
公開は4月1日~5月31日。ご神体を本殿から仮殿に移し、本殿の修復作業に入る前の2カ月間を利用して公開する。拝観料は式年造替の記念品付きで1千円。
現在の本殿は1863年に建て替えられたが、奈良・平安初期の様式を保ち、平安後期の王朝の優美さを加味したとされる。本殿は2畳ほどの小さな建物4棟で、それぞれに神が祭られ、他の神社ではあまり見られない深い赤色の本朱で塗られている。建物の間に獅子や神馬などが描かれ、絵馬の原型とされる御間塀(おあいべい)もある。
一般公開では、明治以降140年間にわたって立ち入りが禁じられた本殿背後の後殿(うしろどの)にも入れるほか、大社建立前に神聖な場所の目印として設けられたといわれる磐座(いわくら)も公開される。