熊本地震を起こした日奈久断層帯。断層面に沿って左右の地層に食い違いが生じている=11日、熊本県甲佐町白旗山出、平井良和撮影
熊本地震を引き起こした活断層の一つ日奈久(ひなぐ)断層帯(熊本県)の断層面が見える現場を、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)が11日、一般公開した。断層面には堆積(たいせき)した地層の「ずれ」が明確に現れており、地震の周期や規模などを知る手がかりとなる。
公開されたのは、全長約81キロの断層帯のうち熊本県甲佐町白旗山出の調査現場。昨年4月の地震で一部が動いたと考えられ、文部科学省の委託を受けた研究所が1月から掘削調査している。
田んぼの下を約4メートル、約1万5千年前の堆積地点まで掘り下げて現れた地層は大きく3層に分かれ、断層面で左右の層が食い違っている。年代が古い下層ほど食い違いが大きく、地震が繰り返し起こっていたことを示しているという。
調査現場周辺は1200~1600年前に動いたことが推定されているが、地震周期、他の断層帯との連動などわかっていないことが多い。研究所の宮下由香里・活断層評価研究グループ長は「分析を進めて地震周期の解明や、起こり得る地震規模の推定につなげたい」と話している。現場は12日午前9時~午後4時にも公開される。(平井良和)