日銀は9日、「債券市場サーベイ」の2月調査の結果を公表した。昨年11月にとりまとめた「市場参加者との対話強化に向けた取り組みについて」に盛り込んだ新設の調査で、債券市場の機能の度合いや長期金利の見通しなどについて市場関係者の見方をまとめた。
調査では、債券市場の現状について30%が機能度が「低い」と答えた。3カ月前と比べると75%が市場機能が「低下した」と回答した。債券の「買値と売値の差」について3カ月前と比べて「拡大した」との回答が65%だったほか、市場参加者の注文量を示す「板の厚み」が「減少した」との回答が8割近くに達した。「調査期間の間に債券相場の変動率が高まったため、市場機能の低下を指摘する回答が増えた」(日銀)という。
意図した価格で取引ができているかについては「できていない」が18%で、「さほどできていない」の49%を含めると7割近くに達した。もっとも、「できている」との回答が33%あることから、日銀は「現時点で市場の流動性には大きな問題は生じていない」とみている。
長期金利(新発10年物国債の利回り)の先行き見通し(中央値)は、3月末が0.40%、12月末が0.50%だった。
債券市場サーベイは今回の2月調査が初めて。市場参加者から見た債券市場を継続して把握するため、四半期ごとに調査票を配布・回収する方式で実施する。今回の回答期間は2月18~25日で、銀行や証券会社など40金融機関が回答した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕