9日の東京外国為替市場で、円相場は3日続落した。17時時点では1ドル=120円86~88銭近辺と、前週末6日の同時点に比べ76銭の円安・ドル高水準で推移している。12時すぎに121円14銭近辺と、6日のニューヨーク市場で付けた昨年12月8日以来の安値となる121円29銭に迫った。米雇用情勢の楽観的な見通しと15年央以降の米利上げ観測を背景に円を売りドルを買う動きが続いた。10時前の中値決済に向けては国内輸入企業の円売り・ドル買いも出た。
半面、9日の日経平均株価/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3EBE2E4EBE2E3E5E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NXが大幅に下げたため、相対的にリスクが低い通貨とされる円に買い戻しが入る場面もあり、円は支えられた。
日銀の中曽宏副総裁が9日午後の記者会見で、「円相場は経済や金融のファンダメンタルズ(基礎的条件)を反映し安定的に推移することが望ましい」と述べたものの、新味がないとして特に取引材料にはならなかった。朝方発表の昨年10~12月期の実質国内総生産/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3E5EAEAE4E2E3E4E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NX(GDP)改定値や2月の景気ウオッチャー調査/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3E5EAE6E2E2E3E4E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NX(街角景気)などの経済指標は注目度が低く、反応は乏しかった。9~17時の円の高値は120円62銭近辺で、値幅は52銭程度になった。
円はユーロ/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3E5EBE7E5E2E3E4E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NXに対しては大幅に反発した。17時時点では前週末17時時点に比べ1円10銭円高・ユーロ安の1ユーロ=131円30~34銭近辺で推移している。対ドルでのユーロ安に加え、6日の米株安や9日の日本株安を受けた円買いで一時130円台後半まで上げ幅を広げた。夕刻にかけては持ち高整理の円売り・ユーロ買いが若干出て、円は伸び悩んだ。
ユーロはドルに対して大幅に4日続落した。17時時点では同0.0161ドルユーロ安・ドル高の1ユーロ=1.0863~66ドル近辺で推移している。日本時間早朝に1.0822ドル近辺と2003年9月4日以来、ほぼ11年半ぶりのユーロ安・ドル高水準を付けた。ユーロ圏と米国とで金融政策の方向性の違いが大きいことが意識され、ユーロ売りを誘った。ただ、対円と同様に、夕刻にかけてはユーロの買い戻しが見られ、ユーロは下げ渋った。〔日経QUICKニュース(NQN)〕