大津市の中2男子自殺をめぐる訴訟で、和解した生徒の父親(49)と越直美市長が17日、市役所で記者会見し、父親は「いじめに対する学校の責任が明確になった」と和解内容を評価した。
和解調書では「教職員は一般的に、いじめを受けた子どもが、いじめを要因に自殺する可能性を予見できる状況にあった」と明記。父親は「裁判所のこの判断は、今後の被害者救済に大きな意義がある」と強調した。
学校や市教育委員会の不十分な対応が自殺を防げなかったとする内容についても、「教師の救いの手が差し伸べられなかった子どもたちの声なき声が届いた」とし、「全国でいじめに苦しむ人たちに、今回の画期的な和解内容を伝えることが私の使命だ」と語った。
越市長は「学校にはいじめを止める責任があると和解条項に書かれている。これからは言い訳できない」と述べ、いじめの再発防止に取り組む姿勢を強調した。
生徒の遺族は2012年2月、市と加害者とされる元同級生3人側に約7700万円の損害賠償を求めて提訴した。遺族と市は和解したが、元同級生の訴訟は分離され継続。請求額は約3860万円になった。〔共同〕