東京電力福島第一原発の事故で、福島県外に避難している子どもへのいじめが各地で明らかになっている問題について、松野博一文部科学相は10日、いじめを受けた子どもたちの状況を調査し、公表する考えを明らかにした。法務省も全国の法務局などに対し、震災を原因とするいじめが疑われる場合に適切な対応を取るよう通知した。
特集:原発事故避難先でいじめや差別「ある」62% 共同調査
文科省は昨年12月、避難している子どもがいじめられていないか確認し、支援するよう全国の教育委員会などに通知を出していた。これをもとに、近く小中高校でのいじめの件数や解消したかどうかの報告を求め、結果を公表する。松野文科相は「通知のフォローアップとして状況を把握し、偏見や差別に基づくいじめ防止に努めたい」と語った。
一方、法務省は先月中旬に法務局などに出した通知で、いじめが疑われる場合は学校に対応を求めるのか、警察と連携して対応するのかなどを判断し、「人権侵犯事件」として扱う可能性のある場合は速やかに対応するよう求めた。