肝臓手術を受けた患者の死亡が相次いだ群馬大病院の野島美久病院長が、内定していた学長就任の辞退を大学側に申し出ていたことが18日までに、分かった。患者死亡問題を重くみたとみられる。
次期学長の任期は4月1日から4年間。関係者は「(野島氏が)最適任者だったのに残念だ」と話している。3月19日に学長選考会議を開き、対応を協議するという。
群馬大は昨年12月、学長選考会議を開き、患者死亡問題について「次期学長のリーダーシップのもと、検証と再発防止を確実に実行し、大学の信頼回復に努めることを強く求める」とした上で、大学の理事でもある野島氏を次期学長に選んだ。
群馬大病院では第2外科で腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた患者8人と、開腹手術後の患者10人の死亡が判明しており、厚生労働省は、診療報酬が優遇される特定機能病院の承認を取り消すかどうか審議会で検討している。〔共同〕